70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『声に出して使いたい 大和言葉』齋藤孝 著 「こもれび」を英語に訳すの難しい?!

大和言葉の魅力

音読練習になるかなって借りた本です。

知っている言葉が大部分でしたが、

声に出すより内容が面白くて読みふけってしまいました。

正確な意味を知らなくて誤用していた言葉もあったので、

国語の勉強になります。

「泡沫」を「うたかた」って読むなんて!

音訳でも漢字の読みってなかなか苦労しています。

 

そのほかにも

今はあまり聞かなくて知らなかった言葉

「耳に当たる」=聞いていて不愉快に思う 耳障り

「横紙破り」 =物事を無理に通す 自分の意見を通そうとする(人)

 

懐かしい言葉

「ご免くださ~い」よその家の玄関での挨拶

以前はどこでも玄関先で大声で声をかけていたものですが、

今はインタホンでピンポーンだけ。

 

ガラッと開けて奥に向かって

「ごめんくださ~い」って大声で何度も呼びかける、

奥から小走りに出てくるかっぽう着の家人。

 

昔はどこにでもあった懐かしい風景です。

言葉に風景が結びついています。

 

音にニュアンスがある

日本語の一音一音にはニュアンスがあります。

なんとなくそうだと思っていました。

 

たとえば「かたい」という大和言葉は、音自体がかたい。

カ行やタ行というのは、かたい響きを持っています。

「カキクケコ」は強めの音ですし、「タチツテト」は切れがいい。

それにくらべて「やわらかい」という言葉は、音自体がやわらかいですよね。

ヤ行とワ行、マ行などは、まろやかな雰囲気があります。

 

音訳で読んでいて、私はカ行とタ行が苦手です。

無声音との兼ね合いもありますが、

音量が上がって強く出てしまいがちでです。

堅くなりがちなのだから、意識してやさしく読むといいかも。

 

反対にまろやかな音は、

私の場合粘ってしまって歯切れが悪いように思います。

粘っこくでなく、まろやかで優しい気持ちで読んでみようかな。

 

きれいな日本語を読めるようなるには、

とにかく修練、修練!

 

こまやかな観察と身体感覚

文中に「木漏れ日」を英語には訳せないとありました。

長ったらしい説明文になってしまうのです。

日本人ならこのワンフレーズで風景まで浮かびます。

 

木の葉の間からこぼれ落ちてくる日の光、

それが地面にチラチラと光の粒を投げかける様子。

それを愛でる感性があるから言葉があるのです。

美しいと感じるこころ

雲や雨を表わす言葉も大和言葉にはたくさんあります。

本の中にたくさんの例が挙げられています。

 

大和言葉を知ることで、

日本人が育み楽しんできた感性を

追体験し自分も楽しむことができるのです。

 

俳句の勉強をすると植物の名前だけでなく

自然を観察する、体感する修練にもなるんでしょうね。

「山笑う」 春

山滴る」 夏

「山装う」 秋

「山眠る」 冬

実体験が少ないと身体感覚を磨くことができないと、

齋藤孝さんも嘆いています。

 

心も身体もいろんな体験をしてこそ、

ことばも磨かれていくのかなって思いました。

 

大和言葉の本たくさんあります。