70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『不要不急 苦境と向き合う仏教の智慧』横田南嶺他 著 半分以上動画で知っていた仏教僧侶たち

南嶺人脈

10人の仏教者が原稿を寄せていますが、

6名は動画で見たり、本を読んだことがある方たちでした。

Newspicksでネルケ無方さんを知った以外は南嶺管長の動画関連です。

この本についても南嶺管長がよく話題に取り上げていました。

 

図書館の入り口のお薦め本のコーナーで見つけました。

コロナ禍で不要不急と言われてしまった

法話、座禅会、写経、そしてお葬式などの法事。

不要不急の代表のように言われ、

「この際なくなって良かった。散財しないで済んだ。」

とも思われがちなお寺の行事です。

 

お葬式仏教と揶揄されがちなお寺が、

人々の苦悩と苦難に寄り添う道があるか、

そんなことを考えさせてくれるコロナ下です。

 

存じ上げなかった方4名

・露の団姫 落語家で天台宗僧侶 新寺建立計画→去年建立済み

・松島靖朗 浄土真宗僧侶 「おてらおやつクラブ」代表

・白川密成 真言宗僧侶 「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載など著作多数

・南直哉 曹洞宗僧侶 永平寺で20年後恐山へ

 

この中で「おてらおやつクラブ」については

須磨寺の小池陽人さんの法話でお聞きしたことがありました。

otera-oyatsu.club

 

露の団子(つゆのまるこ)さん

落語家でも珍しい女性、なおかつ尼僧です。

この方のこと知りませんでした。

そして一番興味深く読みました。

 

在家の出身で自分が仏教で救われたから、

救済したいと強い気持ちを持って仏教と向き合っています。

市井の特に弱い立場の気持ちを良くわかっていて、

伝統的仏教者に厳しい言葉を書いています。

 

家賃の支払いができなくなり路上生活になってしまった若者たちに

よりそう宗教家(特に仏教界)が少なかった理由は、

生まれた家がお寺で宗門の大学に行き、

固定資産税を考えたこともない人たちだから

そう、お寺は宗教法人で税金が優遇されているんです。

広い境内を持ち、マンション建てたり幼稚園経営をしています。

そういう人にホームレスになった、

なりそうという不安はわからないでしょう。

 

更に彼女は続けます、

税金を納めるために食べられなかった食事

治療費に怯え行くことをためらった病院

救済措置のない学費のために大学を追われた若者

これらの人々は税金でばらまかれたマスクに

「ありがたくいただく」ようにと僧侶が言っても、

素直に感謝することはできないと書いています。

 

彼らに共感する気持ちがあったら、

衣・食・住を分かち合うアクションを起こすべきなのです。

現実の救いの手を差し伸べることをしなかったのが、

このコロナ禍の宗教界の現状ではないかと問いかけています。

 

利他を説き、菩薩行や布施行を学んでいるのが僧侶なんです。

でも僧侶を非難できません。

私も利他も布施も言葉は知っていてそれが大切なのだと学んでいるのに、

実行はしていないのですから。

自分の心と行動も振り返りました。

 

彼女自身、落語で稼いで布教活動に充てていたのが、

興業のキャンセルで収入がなくなってしまいます。

それなのにお寺の建立を始めたのでローンの支払いと納税に苦慮。

自分の生命保険の解約でしのぎます。

そして去年見事に「道心寺」を開山。

 

doshinji.com

道心寺は、檀家様を持たない「信者寺」です。皆様のお気持ちにより運営しています。
道心寺の目的にご賛同いただける方は、ご寄進の御協力をお願い申し上げます。

困難なことを明るく笑い飛ばして進んでいる様子がうかがわれます。

応援したくなりました。

 

にんじんケーキと神目箒茶(ホーリーバジル)