70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『青い城』モンゴメリ 著 谷口由美子 訳  仮面をはずして幸せに

モンゴメリの夢

 『赤毛のアン』で生き生きとした少女を描いたモンゴメリですが、それ以後のアンシリーズではその魅力がなくなってしまうそうです。

翻訳をした松本侑子さんは、それはモンゴメリが世間に対して仮面をかぶらざるを得なかったからだとします。

・尊敬される牧師夫人

・人気の女流作家

・上品で道徳的な女性

それで、自分の魂に素直に生きる女性の常識破りの物語を書けなくなるのです。

本音を出すことのできないモンゴメリは鬱になってしまいます。

オールドミスの反乱

少女でなくて成人した大人だって、こんなに生き生きと自由に生きることができるという物語が『青い城』です。

おもしろくて、一気に読み、途中で何度か涙しました。

モンゴメリができなかった、道徳的や常識的という仮面を脱ぎ捨てた女性の物語。

青い城 (角川文庫)

青い城 (角川文庫)

 

この中のヒロインは29歳のオールドミス(当時の言い方です)。

病気がちで家族の不興をかうと生きていけないと、おとなしく自分を殺して生きています。

あるとき、医者に余命1年と言われてから

「自分の思うとおりに生きてやろう」

と行動し始めます。

今のままでは生きていると言えない、死んでいると同じだと気づくのです。

家を出て自分で稼ぎます。

自分から男の人にプロポーズし、結婚してしまいます。

とかくの噂のある得体の知れない男性ですが、愛しているという自分の心に忠実な行動です。

家族や親戚、教会の牧師まで総動員しての説得にも引き返しません。

痛快なほどの行動力で幸せをつかみます。

その幸せは世間で言う物質的なものではなく、精神の自由による幸福です。

夢物語のようなハッピーエンドです。

モンゴメリのかなえれなかった夢がここにあります。

 

今、好きな時間に好きなものを食べられることが幸せです。

好きな洋服を着ることもできます。

自分が幸せだなって、実感できるようになる本です。

 

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新宿御苑にも恋人の小道がありました

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温室にて

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