70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『ファースト・プライオリティ』山本文緒 著  私みたいな人がいると発見 胸が痛む

山本文緒さん

一昨年58歳でお亡くなりになった山本文緒さんのことを

マリコ書房で知りました。

紹介されていた本、『無人島の二人』は闘病記です。

膵臓癌で余命を宣告されてから、パートナーと死と向き合いながら暮らします。

とっても読みたくなったのですが、

図書館で貸し出し中だったので順番待ちです。

 

日本一周中のyoutuberがフィアンセの膵臓癌を公表したのですが、

私も以前から見ていたので心配しながら見ています。

 

家族に膵臓癌もいたので、とても身近に感じます。

 

 

『ファースト・プライオリティ』

無人島の二人』が貸し出し中で他の作品を借りることに。

山本さんの作品を読むのは初めてです。

うちこさんのブログでも何回か登場していたけど、

私の胸に響かなかったのは対象が「若い女性」だったからかもしれないです。

読者対象が若いというのではなく、取り上げる人物が若い女性だからです。

若いといっても私から見たら若いのであって、

本人は若い女性で無くなりつつあると焦る(?)、

30前後の女性が多く登場するようなのです。

東京で仕事をしている女性の心理の描き方に、

うちこさんは同世代の女性として心を捉えられたのでしょう。

 

『ファースト・プライオリティ』は雑誌に3年にわたって連載された

小品が31作品集められています。

一つ一つが完成されていて関連性はありません。

どれも軽いけど重い。

筋立てがおもしろい物語だけど、

主人公は他人にわかってもらえない重さを抱えています。

 

31歳の女性が多く登場します。

著者がその頃31歳だったのかしら

私とは違う世界だなぁ、って思っていたら、

私みたいな人が登場してきた。

ほんのちょっと似ている。

その行動私ならわかる。

私もそうなっちゃうかもしれない。

 

そんな気持ちになってしまいました。

 

一日で読み終えましたが、

またパラパラと物語を拾いにページをめくりたくなる。

 

力のある作家の早世が惜しいです。

 

 

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