今この本が売れているのは
同じ著者の『服を買うなら、捨てなさい』も断捨離関連本としてベストセラーになり、私も読みました。
今回の本はその続編ともいえる本で、生き方と洋服選びの関係が書かれています。
いろいろな年代を対象にしていますが、60代の私にも参考になることがたくさんありました。
無理とムダを手放してラクに
お洒落は生き方と直結しているという主張にうなずけます。
私が思うに、着ることに迷ったり、苦手だったりする人は、人生でも、ついよそ見をしたりして、自分がわからなくなってしまっているのではないでしょうか?周りにばかり見て自分を見ていないので、自分に似合っていて自分が好きなお洒落てというものに、なかなかたどり着けないのです。
それって、私のことを言っているみたいです。
こんなわたしに無理とムダを手放しなさいと教えてくれます。
自分のためという目線で絞り込み、他のものを切り捨てることが必要なのです。
自分の苦手なことや好きではないことにまで関わることになるので、疲れるし落ち込むし、大切なエネルギーも、もちろんお金もすぐに足りなくなってしまうからです。
たとえば着ないままにタンスに眠っている和服も、いつか着ることがあるかもしれない、ほどいてリフォームしよう、インテリアやバックを作ることだってできるしと考え続けていることなどもその例です。
高価だっただろうし、親の気持ちを考えるとなかなか処分できないものです。
私は帰省の度に、母の着物をほどくように言われて、肩こりと目のしょぼしょぼに悩まされたものです。
母も着ることのない着物がもったいなくて、何か別のものにしたいと考えていたのです。
そうやってほどいて反物状態にした着物地が、他の形になることなく忘れられていたりします。
着物としては素敵でも、それで作った洋服が私に似合うとは思えません。
自作するだけの腕もないし、人に頼んでお金をかけることも無駄です。
もう一つの例は、友人の結婚式の為に購入したニットで、よそいき用です。
胸のフリフリにアイロンをかけるのが難しくて、出番がありません。
ぴったりしたニットを着るための下着も持っていないことも出番がない理由の一つです。
でもずっとクローゼットにかかっています。
こういうのが、エネルギーの無駄なんですね。
「義務感や使命感に惑わされず、自分の暮らしに合って似合うお気に入りを追求」
それが、素敵な自分を最大限に輝かせるお洒落への道だというわけです。
自分のスタイルを見つける道です。
人生もおしゃれもエネルギーの分散を防ぐ
ビュッフェの食事でまんべんなく料理を取るのでなく、好きなものだけを取りなさいと言うたとえは、とてもわかりやすいです。
私もたしかに、いろんな種類をたくさん採ってしまいがちです。
主張がはっきりしている海外セレブみたいに、自分の好きな物ばかりとってもいいし、そのほうがかっこいいです。
もう私たちは学校給食の子どもじゃなくて大人です。
苦手なものは残して、他のおいしいもので栄養を取ればいいのです。
すべてに完璧でなくてもいいのです。これからは、もっと楽にいて、楽に生きてみることを考えましょう。
似合わなかったり、着こなせなかったりするものは、今のあなたにはいらないもの。やらなくてもいいことです。
この言葉は、私に勇気をくれます。
年に一回あるかどうかのホテルでの会合のための洋服のことを考えるのはやめます。
同じメンバーだから同じ洋服では恥ずかしい、なんて考えるのもやめます。
私が何を着て行ったか、覚えている人なんていないのでしょうし。
それより、毎日の生活で着心地がよく、気分が上がるような洋服が大切です。
頑張りどころを絞ろうと主張する地曳さんは、取捨選択の基準は自分だとします。
生き方も、着かたも自分という「軸」を立てることが必要だということです。
世間や他人を意識する前に、自分を確立しましょうと繰り返し書いています。
これは、断捨離でいうところの「自分軸」と同じです。
「世間の定番」に振り回されないためには、自分のスタイル(自分軸)をしっかりもつことです。
あなたが今、自分にとって必要なもの、優先したいこと、大切は事はなんでしょう?それが何かという自分の物差しを持っていれば、自分の定番も決められるし、本当に持つべきものも見極められます。
大切なことや優先したことを、「家族」と思うことはやめます。
思い切って「自分」が大切だと思います。
その自分が気持ちよく幸せでいるためには、家族も幸せでいてほしいのです。
年を重ねるにつれて生活環境・経済状況・健康状態・家族関係が変わります。
それは、ライフスタイルが個性的になるということです。
誰かもまねではなく、ないものねだりもせず、自分を価値観の中心にします。
そのかわりやるべきなのは、今の自分を愛すること。
もしあなたが、自分で自分を愛せなかったら悲しいことです。自分のことをいちばんよくわかってあげられるのは、ほかならぬ自分なのです。
それに、自分を愛せなければ、その自分を輝かせる服なんて、見つけようがないのですから。
これは、あらゆる年代の女性への応援のように思えます。
自分を愛して輝かせましょう。
私が輝いているのは、スポーティカジュアルな服装でヨガに通っているときかしら。
ライフスタイルとコンフォートゾーン
自分がどんな状態を心地良いと感じるか(コンフォートゾーン)がはっきりわかると、スタイルのベースが決まります。
コンフォートゾーンとはその人が自分にとって無理や負担がなく、着ていて気分が上がるお洒落がどこからどこまでなのかを示すゾーニングです。
三つの要素
①体力+気力
②お金
③時間
オプション
④好み
⑤場と相手
わたしのような60代の具体例はでていないのですが、40~50代女性の場合が当てはまります。
お金はあるけど体力+気力、時間が「搾り取られている」世代だそうです。
60代ならもっと、限られたエネルギーの使いどころを賢く見極めるのが大事になります。
年齢の制約もシビアに考えなくてはね。
でも、制約があるほうが真剣に検討して正しい選択ができるそうですから60代だからってあきらめてはいけないです。
コンフォートゾーンのちょっと上
例えば私の場合、スポーティカジュアル路線で自然素材のナチュラル志向だと思います。
でも、そのゾーンの中でちょっと上のラインをキープするようにと地曳さんのアドバイスです。
そこで私も考えました。
ここ最近、毎日のように着用している無印のリネンのワイドパンツです。
*無印のHPから画像をお借りしました
気に入っていて自分に似合うと思っています。
でもリネンだからすぐしわになってしまいます。
これでヨガにも旅行にも行っていたのですが、しわにならなくて楽なパンツを購入することにしました。
ユニクロや無印ではなく、専門店でポリエステル100パーセントのワイドパンツです。
定価10000円が40%引きのセールで。
これからはお出かけ用のパンツと日常のパンツと分けて着用します。
実はミニマリスト志向というわけでもないのですが、最近あまり買い物をしなかったのでしわしわリネンかピチピチのユニクロレギンスを交互に穿いていました。
「今の自分」を愛して
数年前購入した白のユニクロレギンスパンツは、もうかなりくたびれていました。
それを購入したときは、長めの丈が流行していたので足首のところが余るほどの長さです。
いまどきはそれがふるぼったいので、10センチくらいはさみでカットしました。
既製品のダメージジーンズではなくて、見た目に自分で切ったことがわかります。
それに、この頃ちょっと太り気味でピチピチで穿いた時に横線が入ってしまいます。
そんなのを平気で穿いていた私は、「今の自分」を大事にしていないなって思います。
丁度いいサイズで、はいて気持ちのいいパンツを購入するくらいのお金はあります。
考えてみると、自分がイケているときはイケている服を着ているし、イケている服を選んでいるものですが、反対にダメなときはダメな格好をしてしまっているもの。「人は見た目じゃない」と言いますが、内側の状態はそのくらい、表に現れてくるものです。
そんなふうに、「生きる」と「着る」はつながりあっています。ですから、どちらかを意識して持ち上げるようにすれば、両方同時に上方修正することができるのです。
そしてここが大事なところ
元気なときはどんな場所にいても大丈夫なのですが、心が落ちそうになっているときは、低い方へ低い方へ引っ張られがちです。ですから、自分が落ちそうになっているなと思ったら、生き方でもファッションでも、決して低い方を見ないこと。
かわりに、意識して雰囲気のいい素敵な場所へ行きましょう。
ファッションもですが、ヨガに関しても同じことが言えます。
怠け心が出てくるときもありますが、ヨガセンターに行くと心がピシッと立ち直ります。
ヨガの先生たち、練習する参加者、すべて含めたヨガセンターの雰囲気が、自分のめざしたい上質なものだから、私も落ちないように踏みとどまることができます。
この本で、シンプルだけど上質な生き方を目指すためのヒントをたくさんもらいました。。
下の3冊全部図書館で借りて読みました。