著作2冊
小川糸サンのことをもっと知りたくて、
早速図書館にリクエストして
届いたのは生活スタイルの本でした。
小説は貸し出し中でリクエストを出しています。
今私は彼女の生活スタイルに一番関心があります。

『これだけで、幸せ』
彼女のもの選びの基準がわかります。
たんにものを少なくしようというのではありません。
炊飯器はなくてお鍋でご飯を炊くけど、
精米機は必需品になっています。
精米したてのお米で炊いたご飯が美味しいからです。
充分蒸らしたご飯をおひつに移すとき幸せな気持ちになれます。
物欲が出てきたときそれって本当に必要?
と問いかけます。
それが自分を幸せにしてくれるか、が判断基準なのです。
気に入ってよく着る服以外は手放す
洋服は肌に直接触れるので肌触りと暑さ寒さへの対応が肝要。
だから小川さんは夏は麻、冬はカシミヤと決めてしまいます。
選択肢が少ないと無駄なエネルギーを使わないですみます。
私は自分で洋服を作るものだから、
できあがりが気に入らなくても手放すことができません。
しばらくぶら下げて眺めていると、
ふと着こなせる気分になるときがあります。
でもどうしても気に入らないときは処分。
小物に作り替えたりウエスにしたりと粘ります。
でもそんなに残された時間はたくさんないのだから、
プロセスを早める必要があると気がつきました。
作ったときにその楽しさと技術の向上や気づき、
それだけでもう価値があったのだと言えるからです。
小川さんのこんなことばを胸に刻み、
洋服の数を少なくしたいと心に決めました。
素材が肌になじみ、着て心地のいい服を選ぶと、
頻繁に着るようになるので、数がそんなに必要ではなくなります。
愛着のあるものを直しながら歴史を作る
小川さんは
自分を大事にする。
だから、無責任にものを受け入れない。
手に入れる=家に持ち込むと決めたもの
できるだけ長く付き合うという覚悟とともに手に入れています。
だから壊れたら直し、布団は綿を打ち直して使い続けます。
出会うまでのストーリーのある愛用品が少しずつ増えていくことが
年齢を重ねる楽しみなのだとも思います。
私の身の回りを見渡しても、
そんな愛蔵品って見つかりません。
粗製濫造、という言葉しか返ってこないようで悲しくなりました。
暮らしを重ねるほどに、余分なものは削ぎ落として、
代わりに愛着品が増えていく。
これからの人生もそんなスタイルを大切にしていきたいと思います。
30歳くらい若い方に教えられることばかりです。
これだから読書は楽しいです。
『糸暦 いとごよみ』
小川糸さんの故郷山形の恵みとも言える山菜を中心に、
季節毎の食にまつわる手仕事と味の思い出。
