ルールはない
音訳には正解はない、とよく言われます。
正解はないけど、わかりにくい音訳はあるのです。
それでも表やグラフの読み方は、経験に基づくひな形ができています。
理数系の専門書では、正確に伝えることが特に必要。
小説の人の名前を誤読しても大きな問題ではないけど、
計算式などでは混乱させない読み方の工夫がいる。
エフエックスプラスイチ と読むと
fx+1 f(x)+1 f(x+1) F(x)+1
どれかわからず結果が違ってきます。
数式などの読み方のルールはまだ定まってないそうです。
PC関係
ソフトやアプリの一般向けの解説書がこれから需要が多くなります。
専門的は言葉がたくさん出てきそうです。
例えばエクセルではマクロで関数がたくさん出てきます。
プログラミングではコードを読み上げることも多いはずです。
スペルを読むか単語を読むか、
本によって場合によってさまざまだというのが実情。
テキスト化した合成音声(テキストデージー)が便利。
スペルアウトも読み上げもできるそうです。
テキストデージーとは
私はテキストデージーのことよく知らないので調べてみました。
日本点字図書館のHPより
テキストデイジー図書は、本文のテキストに見出し等の文書構造や画像を付加したデイジー図書です。音声データは入っていませんが、音声デイジー図書と同じく見出しやページ単位で読みたい箇所に移動できるナビゲーション機能があり、デイジー再生機等の音声合成機能でテキストを読み上げさせて聴くことができます。パソコンやタブレット端末の再生アプリケーションではさらに、文字サイズや配色を読みやすく調整したり、読み上げているフレーズをハイライトさせたりすることもできます。
これは人間の声ではないので、音訳とは違うようです。
講習会参加者には音訳とテキスト化の両方の活動をしている方もいます。
作るための支援ソフトの紹介もあります。
パソコンを使いこなして作成するもので、
音訳とは別のスキルと忍耐力、集中力が必要だと思われます。
声が上手く出なくなったらこちらに移行しよう、
って簡単にできる技術ではないようです。
例題
・化学式 水の化学式です。酸素原子の両側に伸びた2本の腕の先に
水素原子があります
・各種式
例2 ルートオワリ または ルートトジ
例3 分母と分子の読む順番は決まっていない
点字では分子から読むけど、中途失明の方は分母から読むのになれている
対面とか個人のリクエストで読む場合、本人にどちらがいいか聞くと良い
例4 カッコがたくさんの時、「両カッコ」と読むと簡潔
例7 エックスラージイチ または エックスソエジイチ
例8 シグマケーイコールイチカラエヌ□ イコール
完全はない
例5 は物理の式だそうですがそれぞれが何を現わしているのかわかりません。
そんなときはそのまま読むしかないんでしょうね。
考えてみたら、わかったつもりで読んでいても大きな間違いを気づかないだけかもしれないです。
時代小説で柳生十兵衛を「ヤギュージューヘイエ」と読んだ音訳があったと
利用者さんから聴いたことがあります。
録音図書では2回の校正を経て完成になるのですが、
間違いを完全に無くすことは難しいでしょう。
それでも間違いを少なくするために、
音訳者はたくさん本を読んだり、
知識を幅広く身につけることも求められます。
毎日の管長日記を音読していますが、
読めない漢字や人名・仏教語が出てきます。
何度も出てきても忘れてしまってそのたびに調べます。
いつになったらスラスラ読めるようになることやら。
本当に音訳は奥が深く、だからおもしろいんです。