ケネス田中さんの仏教
浄土真宗の僧侶であり、仏教学者のケネス田中さんのお話は、アメリカナイズされた仏教です。
明るくて前向きなところが日本の「葬式仏教」と大きく違います。
日本の仏教は、死んだ後で浄土にいけるように修行します。
地獄に落ちたくないから、悪いことをしないようにします。
でも、ケネス少年がアメリがで出会った仏教は違います。
今生きていると、たくさんの困難があるが、その困難が当然のものであるという人生観です。
キリスト教のように、全知全能の神様が完全な世界を創造したのではないのです。
差別や格差、不運は、生きていれば誰もがどうしようもなく直面する問題です。
そのとき、自分の心の持ち方、物事の見方次第で、気持ちの安定を見いだせるというのが仏教なのです。
そこに、前向きに自分らしく生きる道を見いだして希望が持てます。
四字熟語はむつかしい
日本の仏教は中国経由で入ってきたため、難しい四字熟語での教えが多いです。
それが英語だとシンプルで身体にすっと入ってきます。
ケネスさんは番組中でも、難しい言い回しは英語の方がお得意です。
そのシンプルな英語が、わかりやすいです。
諸行無常 LIfe is changing. 人生は変化の連続
一切皆苦 Life is a Roller coaster. 人生人生はジェットコースターのようだ
Life is a Bumpy road. 人生はでこぼこ道だ
ただいまに生きる
今に生きる、刹那に生きるも英語ではおもしろく解説されます。
諸行無常の講話での説明です。
Yesterday is history. 昨日は過去の歴史
Tomorrow is mystery. 明日は未知のこと
But this moment is a gift. 今このときは、恵まれた贈り物
This is why we call it the present. だから私たちはそれをプレゼントと呼びます
(日本語は私の意訳です)
そして今をしっかりダイナミックに生きるようにというのが
Live deeply!
これは、瞬間に意識を集中させて深く味わうことを意味しています。
食べるときも、テレビを見ながらではなく食べ物をしっかり味わうことです。
mindfullness ってこういうことなんですね。
アメリカの宗教観
アメリカでは実用的なことが尊重される風土があるそうです。
だから宗教も、自分の内面だけの解決では中途半端とされます。
ケネスさんは、仏教の精神でもって世の中をよくする運動にも積極的に参加されます。
アメリカの仏教界の方が、平和運動とか反核兵器を鮮明に打ち出しているのは、こんな宗教観の違いがあるからなのでしょう。
利他の実践
仏教の目指しているものは、自分が目覚めた体験をしたらそれを他の人へも善行としておこなって、他の人の目覚めの手助けになることだそうです。
それが、「利他」です。
社会活動は、利他行ともいえます。
勝間さんのお話によく出てくる
利他の精神とここでつながりました。
困難はあって当然と思うこと、利他の気持ちで行動すること。
心が楽になり、気持ちよく生きる知恵をいただきました。