アラームの誤作動
『最強の体調』の中にあった言葉です。
最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)
- 作者: 鈴木祐
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2018/07/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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原始時代には、命に関わることに対してのはっきりした「不安」しかありませんでした。
今日の食料を得ることができるかが大問題だったからです。
だから、不安に対してすぐ対処する必要がありました。
脳はすぐ処理しようとスイッチを入れます。
農耕社会を経て現代では、未来に対する「ぼんやりした不安」がたくさんあります。
不安の質が変わった現代では、かつてはうまく働いた機能が動作しません。「ぼんやりした不安」のせいでアラームが誤作動を起こし、やがて頭の中で非常ベルが鳴りっぱなしの状態になっていくからです。
過去を悔い、未来を恐れるから人間の心は苦しくなります。
これは仏教とかインド哲学でいっていることと同じです。
どちらでも、「今に生きる」「今に集中する」することを目指します。
文明病には、哲学とか宗教が解決の糸口となりそうです。
哲学とか宗教でない方法
今流行のマインドフルネスも、日常に採り入れやすく宗教臭さのない解決法といえます。
筆者の鈴木祐さんが「ぼんやりした不安を解消するたった一つの方法」と書いているのは、自己連続性をたかめることです。
未来の自分と現在の自分の心理的距離を縮めることで「ぼんやりした不安」をなくすことができるというのです。
未来を今に近づけるとは
狩猟採集民は「生きる・生む・育てる」だけを目的にして思い悩むことがありませんでした。
現代は選択肢が多くなり、未来の姿が見えにくくなっています。
曖昧な未来が不安の原因だとしたら、自分の価値観を絞り込んで明らかな未来像を具体的に得ることで、不安はなくなり行動のモチベーションアップにもつながります。
そのためには、真の価値観を見つけることが必要になります。
そのための方法がいくつか本の中に書いてあります。
真の価値とは幸福感が高まるとき
自分の価値観を探るための方法があります。
①パーソナルバリューリストで重要度の高いものからランク付け
②価値評価スケール 「12種類の人生ジャンル」に記入
③パーソナルプロジェクト分析 5番目までの上位の価値観
④ジョブクラフティング
これらをして自分の価値観をしぼりこむのですが、そこでわかるのは「他人への貢献」が自分の幸福感を高めるということです。
「利他」ということです。
ここでも仏教との共通点がありますね。
とにかく、自分の望みがわかりそれに向かって行動していると思えるとき、未来へのぼんやりした不安からは逃れることができるというわけです。
心をコントロール
この分析法、腰を据えて時間をかける必要があります。
自分を客観的に見つめる、つまり俯瞰することです。
自分の肉体外から、自分の心を眺めるということ。
そして、時間とともに変化をするので、人生に何度でも検証していくことも必要です。
ぼんやりした不安を具体的な未来像で解消する、これがロジカルに心をコントロールするって事なんですね。
今、道を歩くとあちらにもこちらにもサルスベリが咲いています。
名前とお花が結びつくと、しっかり心に残ります。