70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『雨上がる』 栄誉を求める気持ちが捨てきれない自分を発見

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西村俊彦さんや窪田等さんの作品をよく聞いています。

 

雨上がる

寝ながらiPadで朗読を聞いています。

連続でおすすめが再生されていきます。

夜中に起きてしまったときも子守歌代わりに。

いつの間にか始まっていた『雨上がる』。

自分から選んで聞こうとは思わなかった山本周五郎の作品。

内容は

人を押しのけることが出来ずに士官先が決まらないお人よしの浪人の三沢伊兵衛とその妻たよが旅をしながら巻き起こす人情物語。
映画化もされた『雨あがる』と、その後の二人を描いた『雪の上の霜』を一本の動画にしてお届けします。(西村さんの概要より)

 

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作品の内容にどんどん引き込まれました。

主人公がどうなるか、士官が叶うようにと心から願うようになったのです。

最後の最後まで、どうにか腕前と優しい性格が認められて良い生活ができるようにと応援する気持ちでした。

 

自分の才能を認められ武士としての栄誉栄達を得る生活と、

貧しい人の間に身を置き互いに助け合う暖かい人情通う生活。

そのどちらが価値があるか。

私の心は、武士として取り立てられることの方が良いと思っていました。

きれいな場所できれいな洋服を着ておいしい料理を食べる。

人々から立派だとほめられる地位。

そんなことが大切だと、どうしても思っているのです。

 

最後に士官の夢が今度も破れて旅立った後でも、

家中の人が追いかけて「どうぞ我が藩に・・・」

と言われる展開でハッピーエンドになると思っていました。

 

そうではないのが、山本周五郎なのですね。

 

あるもので満足して人をうらやまない、

わたしにはまだまだ足りない気持ちだと改めて思わされました。

 

主人公はたとえ仕官できたとしても、

お人好しの性格が直るわけもなく、

武士社会では上手く立ち回るはずがないでしょう。

彼が楽しく生きる場所、

そこで妻が心を寄せて穏やかに暮らすことができたらいいでしょう。

私が妻の立場だったらどうだろう、

そんなことも考えたら心が穏やかでなくなりました。

 

しっかり目が覚めて起きてしまいました。

 

井の頭公園 3本ほど早咲きの桜でしょうか