佐々木閑さん動画
花園大学の遠隔講義をおりに触れてみています。
インド哲学の世界観、それから発生した仏教とはどういうものか、佐々木先生の親しみやすい語り口も魅力的です。
佐々木先生は生まれはお寺なのですが、学生時代は科学者を目指していたようです。
仏教と科学との関係をはっきり説明します。
「目指しているものが違う。だから世界観が違って当然」
矛盾をいいかげんにせず、ご自分の到達した認識を教えてくれます。
瞑想は目標ではない
瞑想は必要条件であるけど十分条件ではない、と科学者らしい言い方です。
瞑想をするのは、真理に近づき智慧を得るために必要ですが、それだけすれば真理に近づけるわけではないのです。
仏教には三学という仏道を進める3つの原動力があります。
三学とは 戒・定・慧(カイ・ジョー・エ)
戒は行動の規範
定は瞑想
慧は真理の智慧
本当の安楽への道を知る智慧のない私たちは
瞑想=定 によってその智慧を得ようとする
瞑想をするためには 戒=行動の習慣性が役に立つ
という流れなのだそうです。
悟りのために必要なのは智慧、
その智慧を獲得するために瞑想するのです。
目的は生きることの苦しさから逃れる安楽、瞑想はその方法です。
戒が必要なのは
仏教徒としてもっとも基本的な戒は、不殺生・不偸盗・不邪淫・不妄語・不飲酒の五戒です。
「戒」は瞑想をするための行動規範、習慣性を身につけるためにあります。
つまり判断することなく自然にそういう行動をするという習慣性をつけると、
外界からの情報に動かされない心を持って瞑想を行いやすくなり、
心を正しい方向に導く智慧を獲得することができるという仏道の流れ。
瞑想による智慧の獲得のために、「戒」があるのであって、
自分がいい人になる、人の役に立つために行動するのではないのです。
例えば、掃除をする、簡素な生活をする、利他の精神で行動する、
すべてが「自分」のためと言うことになります。
仏教そのものが、苦しいこの世で自分が安楽に生きるための道なのだそうです。
ふ~ん。
新しい視点をいただきました。
この回を自分なりにまとめてみました。