70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『庭仕事の愉しみ』V・ミヒェルス編 ヘルマン・ヘッセにとって庭仕事は瞑想

ヘッセが大好き

ヘッセの作品が大好きです。

人間には善と悪の両面があって、

それを統合する考え方を始めて知ったのも『デミアン

ひとりで生きていく精神を学んだのも『荒野のオオカミ』

『シッダールタ』も何度も読み返しています。

そんなヘッセが庭仕事が好きだというのに驚きました。

 

草取り

私は園芸が苦手。

きれいお庭には憧れるけど、技術も知識もない。

草取りは嫌い、虫がいるとその近くには行けない。

虫が付いた野菜はもう収穫できなくて捨ててしまうほど。

でもなんとか庭仕事を好きになりたいと思い、

私の好きなヘッセが庭仕事をしているのを読んだら、

私も好きになれるかも、

そんな変な期待で何年も前に購入した本です。

 

自然より人間

でもヘッセの小説を読むときも、

実は自然描写は読み飛ばして人間の生き様というか筋を追うことに夢中でした。

本当に自然の癒やしとか神秘的な力を感じることがなかったのです。

ですから『庭仕事の愉しみ』を読んでも、

少しも庭仕事が楽しくなることがありませんでした。

 

瞑想

でも何度か手に取ってページをめくっていて、

ちょっと庭仕事がヘッセにとってどんなに大切な物か、

わかってきました。

目を患ってからの物理的な必要とは別に、

精神的にも庭仕事が必要だったのです。

庭仕事が瞑想でもあったのです。

 

私は、一日をアトリエで仕事をする時間と庭仕事をする時間に分けています、庭仕事は瞑想と精神的な消化のためのもので、そのため私は独りだけでそれをします。197p

 

土と植物を相手にする仕事は、瞑想するのと同じように、魂を解放し、休養させてくれます。203p

 

訳者あとがきの中でも

庭仕事は、それによって文筆の仕事や日常生活の雑事からの開放感を味わうと共に、ヘッセにとって、思索と創造を生む素晴らしい瞑想のひとときであった。320p

とあるように、日常の雑事ではない特別の愉しい時間だったとは!

 

禅では掃除も庭仕事も畑仕事も作務として修行の一つです。

瞑想の一つと言ってもいいかもしれない。

 

私もそう思って庭仕事しようと思っても、

なかなかそう思えないのが悩みでした。

 

庭仕事は瞑想、ヘッセの本を読んでそんな心境に近づきたい。

近くの農家から購入

こちらは100円