まず漢字を正しく読むだけでも
今日の南嶺管長のお話は仏教の根本哲学でした。
端的に言えば
お釈迦様の教えは、四諦八正道、十二因縁というのが主要なものだとよく説かれています。 四諦、八正道は分かりやすいものです。 四諦というのは、四つの真理であります。 苦集滅道(クジュウメツドウ)の四つであります。
何度もお聞きしている言葉ですが、難しいです。
言葉の読み方だけでも、ここに記録したいと思います。
苦諦(クタイ) (四苦八苦)
苦諦の諦は真理という意味であります。
生老病死の四苦があります。
生まれる苦しみ、老いる苦しみ、病の苦しみ、死の苦しみです。
そのほかに、愛別離苦(アイベツリク)、怨憎会苦(オンゾウエク)、求不得苦(グフトック)、五蘊盛苦(ゴウンジョウク)というのがあって、この四つを足すと八苦になります。
愛別離苦は、愛する者と別れる苦、
怨憎会苦は、憎い者と会わなければならない苦、
求不得苦は、不老や不死を求めても得られない苦、あるいは物質的な欲望が満たされない苦、
五蘊盛苦は、現実を構成する五つの要素、すなわち迷いの世界として存在する一切は苦であるということを表します。
集諦(ジッタイ)
苦しみの原因は渇愛だと説いた。
滅締(メッタイ)
苦しみを滅すること。
渇愛を無くすことこそが苦しみを滅することだという真理。
執着が苦しみの根源であるともいえます。
道諦(ドウタイ)
苦しみを滅する為の道。
具体的には八正道として説かれている。
正見(正しい見解)ショウケン
正思惟(正しい考え)ショウシイ
正語(正しい言葉)ショウゴ
正業(正しい行為)ショウゴウ
正命(正しい生業)ショウミョウ
正精進(正しい努力)ショウショウジン
正念(正しい念慮、気づき)ショウネン
正定(正しい集中)ショウジョウ
この修行をすることによって、
苦しみを逃れることができるというのがお釈迦様の説かれた仏教。
釈迦の仏教はまさに人間の心を合理的に解き明かそうとした哲学です。