70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『俳句で夜遊び、はじめました』岸本葉子著  俳句へのお誘いに惹かれます

NHK俳句の司会

俳句の雑誌の音訳をしている関係で、NHKの俳句番組を見ています。

その中で「俳句が大好きな岸本葉子です」と毎回自己紹介する岸本さんの本です。 

俳句で夜遊び、はじめました

俳句で夜遊び、はじめました

 

テレビでの語り口と同様、俳句が面白い、大好き、一緒に俳句を作りましょうと言う気持ちがあふれている本でした。

 

夜も遊ぶ

俳句は「真剣な遊び」です。

遊び心が俳句の諧謔に通じるからです。

 

岸本さんは父親の介護をしていました。

週末は介護に通いその分週日の夜も仕事をするという数年があったそうです。

「遊ぶ」ことへの後ろめたさもあったようです。

 

二回目の夜遊びで、早朝から仕事を始めるロバートキャンベルさんが句会の後の二次会にも参加することに驚きます。

キャンベルさん曰く

「私は夜はむさぼるんです」

岸本さんも腹をくくります。

 

介護がなくなり、気持ちの余裕も時間もできて 始めた夜遊びです。

夜でなければ詠めない季題がおもしろく、ちょっとお酒が入っての喧々諤々の議論も楽しみます。

 

といっても、根が真面目で優等生の岸本さんです。

俳句を作るための吟行に、仕事や家庭の諸事をやりくりしての参加者に暖かい目を注ぎます。

 

体力勝負そして「今」を切り取る

それにしても深夜の行事に参加したり、奥深い山に分け入ったり、真剣に遊ぶには体力もいることに驚かされます。

鵜飼い・大文字などメジャーなところから六本木の骨董品店での隠れ家句会まで、月刊『俳句』で連載されました。

 

私は胃腸が弱いから、たくさんの人出のイベントとか花の名所をいくつも回る強行軍にはついて行けないみたい。

虫垂癌という大病をなさった岸本さんのこの元気さには感服です。

 

俳句作りには、その一瞬に集中して楽しむ と言う面があります。

楽しいその時に、後のことを忘れてしまう、これも一種のマインドフルネスかしら。

 

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植物の名前がわかる人になりたい