70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『エッセイ脳』岸本葉子 著 エッセイスト20年間のノウハウを披露 

エッセイとは

岸本葉子さんは職業がエッセイストです。

原稿を書いて、それで生活をしているのです。

だから、原稿の注文が来るように、作品が読んでもらうように、様々な工夫をしています。

変なたとえですが、タレントとかスポーツ選手が本業のエピソードを「暴露的に」書くものとは違います。

一般人の目で、普通に起こりえることを、ちょっと違った角度で面白く書かなくてはいけないのです。

「あ、そうなの」で終わってしまうことを一番恐れるのだそうです。

 

覚悟

岸本さんは会社員勤めをしたことがあるけど、すぐやめてしまいます。

書くことで身を立てようと思うと同時に、書きたいことがあり、書いて表現することが自分らしく生きることだと見つけています。

依頼がなくなれば収入がない、不安定な職業です。

でも、書くことが自分の生きる道と覚悟を決めています。

岸本さんの外面や言葉遣いの優しさとは裏腹の強い気持ちが、私は好きになりました。

 

論理的に

エッセイを岸本さんは論理的に説明し、よいエッセイの書き方を惜しげもなく披露してくれます。

まず、エッセイとは

A 「自分で書きたいこと」を

B 「他者が読みたいように」書く。

そして 自分≠他者 だからさまざまな工夫が必要なのです。

 

最後に読者が「あ、そう」で終わり、「それがなんなの?」が続いたら失敗です。

 

面白そうなエピソードをたくさん頭の引き出しに入れておくことと同時に、

普通の人と違った見方、感性で捉えることも必要です。

それは「少々のはずし、ひねり」です。

最後に読者の

「ある、ある。へぇーっ、そうなんだ」を目指します。

 

つまり、起承転結の「転」のところが腕の見せ所というわけです。

 

そのための小技の数々をたくさん紹介しています。

ご自分のエッセイを実例にして、事細かい分析です。

 

ブログにも応用

私がブログを書くときにも応用できると思った、

言葉を選ぶ3つの側面があります。

①正確かどうか

②文法上整合性がとれているか

③語感がふさわしいか 

 

基本的なことですが、ここがしっかりしているから文章に品格が出るのだと思います。

主語述語が曖昧でなく、短い文。

「~たり」を使ったら再度「~たり」をつける、つけないなら「~たり」は使わない。

 

自分とは違う他者に、誤解されることなく読みやすく、疲れさせないことを目指しています。

他者への心配りとともに、自分の文章を俯瞰することも大切と書いてありました。

 

一番心に響いた文章

書くプロセスの中でもっとも興がわかない推敲こそ、読みやすさを高めるための必要にして不可欠なプロセス

岸本さんも自分の文章を読み直すのは好きじゃない、ってわかってうれしくなりました。

 

わたしもブログではなく、他に文章を書くことがありますが推敲が大嫌い。

書き終わったらもう、見たくないのです。

 

推敲こそが文章上達のための道なんですね。

職業としてのエッセイストは、嫌なことも頑張っているのです。

 

エッセイ脳―800字から始まる文章読本

エッセイ脳―800字から始まる文章読本

  • 作者:岸本 葉子
  • 発売日: 2010/04/01
  • メディア: 単行本
 

次はこれも読んでみようかしら