エッセイとは
岸本葉子さんは職業がエッセイストです。
原稿を書いて、それで生活をしているのです。
だから、原稿の注文が来るように、作品が読んでもらうように、様々な工夫をしています。
変なたとえですが、タレントとかスポーツ選手が本業のエピソードを「暴露的に」書くものとは違います。
一般人の目で、普通に起こりえることを、ちょっと違った角度で面白く書かなくてはいけないのです。
「あ、そうなの」で終わってしまうことを一番恐れるのだそうです。
覚悟
岸本さんは会社員勤めをしたことがあるけど、すぐやめてしまいます。
書くことで身を立てようと思うと同時に、書きたいことがあり、書いて表現することが自分らしく生きることだと見つけています。
依頼がなくなれば収入がない、不安定な職業です。
でも、書くことが自分の生きる道と覚悟を決めています。
岸本さんの外面や言葉遣いの優しさとは裏腹の強い気持ちが、私は好きになりました。
論理的に
エッセイを岸本さんは論理的に説明し、よいエッセイの書き方を惜しげもなく披露してくれます。
まず、エッセイとは
A 「自分で書きたいこと」を
B 「他者が読みたいように」書く。
そして 自分≠他者 だからさまざまな工夫が必要なのです。
最後に読者が「あ、そう」で終わり、「それがなんなの?」が続いたら失敗です。
面白そうなエピソードをたくさん頭の引き出しに入れておくことと同時に、
普通の人と違った見方、感性で捉えることも必要です。
それは「少々のはずし、ひねり」です。
最後に読者の
「ある、ある。へぇーっ、そうなんだ」を目指します。
つまり、起承転結の「転」のところが腕の見せ所というわけです。
そのための小技の数々をたくさん紹介しています。
ご自分のエッセイを実例にして、事細かい分析です。
ブログにも応用
私がブログを書くときにも応用できると思った、
言葉を選ぶ3つの側面があります。
①正確かどうか
②文法上整合性がとれているか
③語感がふさわしいか
基本的なことですが、ここがしっかりしているから文章に品格が出るのだと思います。
主語述語が曖昧でなく、短い文。
「~たり」を使ったら再度「~たり」をつける、つけないなら「~たり」は使わない。
自分とは違う他者に、誤解されることなく読みやすく、疲れさせないことを目指しています。
他者への心配りとともに、自分の文章を俯瞰することも大切と書いてありました。
一番心に響いた文章
書くプロセスの中でもっとも興がわかない推敲こそ、読みやすさを高めるための必要にして不可欠なプロセス
岸本さんも自分の文章を読み直すのは好きじゃない、ってわかってうれしくなりました。
わたしもブログではなく、他に文章を書くことがありますが推敲が大嫌い。
書き終わったらもう、見たくないのです。
推敲こそが文章上達のための道なんですね。
職業としてのエッセイストは、嫌なことも頑張っているのです。
次はこれも読んでみようかしら