NHKの『こころの時間』
考古学者の大村幸弘さんへのインタビューでした。
タイトルは「歴史に辿る ”自分とは何か”」
大村さんはアナトリア考古学研究所長、カマン・カレホユック遺跡調査隊長。
トルコで40年以上遺跡の発掘を続けています。
子供の頃から鉄器と遺跡への関心が異常にあったそうです。
一途に楽しそうに遺跡発掘を続けています。
好きなことを見つけた子供を、見守り損なわない教育が大切だなぁと我が身を反省。
大学卒業後はほとんどトルコでの遺跡発掘に取り組んでいます。
その様子が映像で紹介されますが、多くと人手と時間を費やす地味な作業です。
お金はどこから出ているのかしら、と気になりました。
トルコ政府と日本からだと思うのですが、こういう研究が続いているのも平和と経済的な保証があってこそです。
コロナのパンデミックで、発掘調査は一時中断されています。
最後の言葉
ヒッタイト文明とか地域の村民への文化的影響などのお話も興味深かったですが、
最後の言葉が胸に響きました。
「コロナのようなことは今までいっぱいあった」
「今までのままでいくことはない。それ(コロナ)があって始めて次の世界が始まる」
「人類は今までも何度も試されてきた」
世界の歴史を1万年以上の単位で考えている考古学者こその言葉です。
アフターコロナの時代と言われると、未知の世界が始まるようで身構えてしまいます。
でも、蒸気機関ができた、電気を利用するようになった、自動車が発明された、その時どきに新しい生活様式になってきました。
同様に、コロナと共生する新しい時代に対応する生活をするっていうことだけなんですよね。
「元の生活に戻る」という不可能なことを期待するのではなく、新しい常識(感染予防対策)が必要なんだと思います。
膨大な時間と人手がかかる遺跡発掘の様子に、これが何の役に立つの?って思ってしまいます。
しかし、古に学ぶこと=考古 で今のことがわかるのだそうです。
文明が栄え、滅び、また別の文明が栄える歴史が人間とは自分とは、を考える事になるのだと言うことです。
長いスパンで物事を見ることで、目の前の問題に押しつぶされない揺るぎない心が得られるのでしょう。