ノーベル平和賞
16歳でノーベル賞を受賞した少女の物語です。
わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女
- 作者: マララ・ユスフザイ,クリスティーナ・ラム,金原瑞人,西田佳子
- 出版社/メーカー: 学研マーケティング
- 発売日: 2013/12/03
- メディア: ハードカバー
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イスラム教国のパキスタンの田舎で、主流派ではない民族の生まれです。
女の子にも教育を受ける権利があることを訴え、タリバンに銃撃されました。
銃撃後、医療設備の整ったイギリスで治療を受け奇跡的に回復しました。
パキスタンの現状 女性の地位
イスラム教のコーランには、男の子も女の子も同様に知識を得るように書いてあるとマララは言います。
でも、女の子は10歳くらいで売られるように結婚させられたり、少しでも好色的に見られると家族に殺されたりする名誉殺人が今もあります。
男の人から誘われても、女が悪いとされるんです!
マララの父親は、マララが生まれた時から愛情深く育ててくれましたが、パキスタンではまれなことだと思われます。
父親の教育
マララの父親は教育に情熱をかけ、学校を運営しています。
経済的な困難や天災、政情不安などから何度も立ち上がります。
女の子にも、お金のない子供にも教育の機会を与えることに奮闘しています。
スピーチが巧みで、もめごとの仲裁をたびたび頼まれたりもします。
タリバンの方針に反対し、彼自身も身の危険を感じていました。
マララの「勉強するのは当然でしょ」という気持ちを尊重し、公でも発言しだしたマララを応援します。
誇り高い民族らしく、間違っていることには声を上げるのを恐れないのです。
無知では政治家に騙される
パキスタンでは、国民は貧しく度々停電があるなどインフラも整備されていません。
それなのに、政府の高官はロンドンに高級アパートを持ち援助物資は庶民の手に届きません。
そんな不合理にマララは「おかしい」と何度も声を上げます。
そして、少女達も教育を受けて同じように行動しようと呼びかけるのです。
タリバンが少女に学校教育を受けさせない理由を父親に聞いたとき、
「ペンの力が怖いからさ」という答えを得ます。
それが、国連演説での彼女の言葉に結びつきます。
言葉には力があります。私たちの言葉で世界を変えることができます。・・・・みんなが団結して教育を求めれば、世界は変えられます。・・・知識という武器を持ちましょう。連隊と絆という盾を持ちましょう。・・世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。本とペンを持って戦いましょう。
教育こそ唯一の解決策というのが彼女の主張です。
世界の人々が祈り助けた
タリバンにより彼女が銃撃され、瀕死の重傷を負ったことは世界中に報道されました。
タリバンの恐怖政治をインターネットで訴え続けたマララですが、この事件で世界中がタリバンの暴挙を知ることになったのです。
怖くてペシャワールに行くことを躊躇していたイギリス人の医者が、彼女を助けたいと現地に行きます。
「教育のために戦っていた少女を助けたい。自分は教育に恵まれたから医師になれたのだから」と勇気を出したのです。
たくさんの祈りのメッセージが届けられたのですが、パキスタンの少女たちからはあまりなかったそうです。
タリバンが怖かったからもありますが、マララを信用できないのです。
パキスタンでは政治家やえらい軍人たちが、どんなに口では立派なことを言っても、約束は守らないし自分たちの利益しか考えていないことを経験的に知っているからだそうです。
そういう歴史がずっと続いていたからです。
悲しいことです。
でも、教育さえあれば政治家には騙されなくなる、そうマララは信じています。
自由に教育を受けられる日本に生まれた私たち、どれだけ賢く政治家のウソを見破れるのかしら。
マララが問いかけるものは、日本の私たちにも鋭く突き刺さります。