連日編集作業
このところ音訳作業の中でも、「編集校正」を学んでいます。
市の広報の他に、図書館の事業として図書を視覚障害者の方も利用できるようにまるごと1冊音訳する作業もあります。
できあがった作品は、録音図書として国会図書館(!!)に収められます。
音読する人は一人なのですが、その校正を複数の人で担当して、複数回します。
私は、最後の編集校正に参加して、手取り足取りの指導を受けました。
音訳技術の幅広さ
最初の意識では「音訳は、上手に読むこと」
だと思っていたのですが違います。
読むことは表に出ている部分ですが、見えない部分がとてもたくさんあるのです。
まず、読む前に調べることがたくさんあります。
読んだあとも、誤読、抜けがないか、
全体の音の強弱が整っているかなどをチェックしてもらいます。
今回私がチェックしたのは、フレーズとかセクションごとの「間」など、細かいところです。
全体の構成の最終チェックも教えていただきました。
すべてのページのページ付けの位置を確認します。
ここまで意識を届かせて、音訳図書が作られているのかと驚くことばかりです。
校正をするにあたってのパソコン操作も、私は初心者です。
パソコンは得意だと思っていたのですが、ページ付けやビルドブックなど新しい操作があります。
でも、これはすぐに覚えることができそうで、楽しみです。
自分の手持ちの本でも作ってみたくなりました。
自分用の「録音図書」ができるのです。
先輩に学ぶ
教えてくださるのは、年齢は私より下かもしれないのですが、音訳では大先輩の方。
校正をご一緒することで、彼女のセンスがとても参考になります。
イラストや写真の説明をどうするか、個々の素材ごとに説明してくださいます。
(本を読んだ方の説明を、変えた方が良いと校正する場合の説明です)
図書の目的によって、詳しく必要か、簡略化出来るかはセンスの問題になってくるのです。
たくさんの本に関わってきて蓄積された知恵や、養われたセンスをこの機会にできるだけ吸収したいと思いました。
マンツーマンでの数時間、貴重でした。
音訳で、私はとてもありがたい師と友を得ています。
自分のために
音訳はアンチエイジングにもいいです。
それ以上、未来の私のために「本」を用意しておくことが出来ます。
目の機能が弱ってきて、本を読むのが辛くなったときのためです。
私が音訳ボランティアをしようと思ったのは、友人に視覚障害者がいたからです。
彼女は本が大好きなのに、だんだん目が見えなくなってきました。
でも、拡大鏡を使い、拡大図書を借り、録音図書を借りて読書を諦めません。
私も、もう文庫本を読むのは辛くなりました。
(とってある昔の文庫本は色があせて黄色くなっているからよけいです)
何度も繰り返し読みたい本を、今のうちに自分のために録音図書にしておきたいと思っています。
今だって
夜、眠りにつくとき録音練習した私の声を流すことがあります。
読み方のチェックをしながらですが、そのまま眠ってしまうこともあります。
それって、とても気持ちがいいですよ。
どんな本を録音図書にしようかと、手持ちの本のあれこれを考えています。
梅原猛さんの仏教の本は勉強になると思って、録音し始めました。
あとは、アイアンガーグルジの本も読みたいと思っています。
仏教、インド哲学を自分の中にもっと根付かせたいのです。
老後の楽しみと、それまでの楽しい仕事が増えました。