70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

『座禅ガール 』 田口ランディ著 女はいつまで女なのか

重いような軽いような

初め手にとったときは、軽い気持ちでした。

若い女性の「おしゃれな禅入門書」くらいの気持ちで。

装丁とタイトルにだまされました。

 

田口ランディさんの作品だから、軽いだけでは済まされません。

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思いがけない展開

40代の女性作家の元に、ホームレスの女性が救いを求めて転がり込んできます。

異様に美人だけどちぐはぐな印象のりん子は、とらえどころがなく重い存在でした。

なんなの?と思っていたらだんだん理由(わけ)がわかってきます。

 

中に出てくるテレビ番組を私も見ていました。

だから、わかるのです。

 

りん子の気持ちも、作家の中年女性の気持ちも。

 ぐっと身近な話題に感じられました。

 

ニューヨークからきた禅マスターの女性アイリーンが、二人の揺れ動く心の重しとなってくれます。

 

心は揺れ動くのが当然、自分に向き合うことは弱くて執着だらけの醜さに気がつく重い作業。

 

美醜

そう、この本の一つの主題は

美醜

60歳過ぎるとそんなことにあまり悩まなくなりますよ!

と苦しんでいる人に声をかけたい。

 

でも、まだ白髪を気にしてヘアカラーしていたり、自分に似合う洋服を探したりしている自分がいることを忘れたふりはできません。

 

女はいつまで女なのかってことも、作品中で語られます。

 

明るい展望

物語の最後は、本の装丁と同様の明るくて希望が感じられるものです。

問題の解決は、人に頼ってではなく自分が動いてこそできます。

悩むこと、見つめること、自分で引き受けることです。

それを見ないふりをしてワープすると、人生の妙味が味わえません。

 

アイリーンの言葉

容貌も衰えるし、頑張ってやってきた仕事だって、永遠ではないことを知るわ。何のために生きているのかしらって、考えざるを得ない。でも、考えたくないから他のことに意識を向ける。男性との恋とか、より難しい仕事の課題とか、・・・。だけど、私はね、座禅に巡り会ったの。よう子、人生はね、心が求めているものが現実化するだけなのよ。

今の私は、今までの私が求めていたことが現実化したのです。

妙に納得できます。

誰のせいでもないという意味です。

そしてヨガに巡り会っているのです。

 

観察すること、気づくこと、正しさを求めること

 

ヨガで学んでいることと共通するものを感じました。

 

*その他に最近読んだ本です。

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