70歳過ぎて自在に生きる ほいみんの日記

断捨離から、ヨガ・インド哲学・音訳へと関心が移っています。

介護講演会「聴くことの」の本質 ヨガとの共通点

チャプレンのお話

介護施設でのセミナーに参加してきました。

講演してくださったのは、アメリカでチャプレンの勉強をしてトレーニングを受けてきた武蔵野大学教授の小西達也さん。

チャプレンとは

病院やホスピスなどの「公共空間」で活動する宗教者。欧米では一般的

日本では主に終末期の患者さんの心のケアをしてらっしゃいます。

「人生の危機」に自らの「生き方」や生きる力を見出せなくなった時、「生き方」の模索・発見・選択のプロセスをサポートするのがチャプレンの役割

介護の場面では身体的介助だけでなく、思いに寄り添い耳を傾けることが基本にあり大切だという趣旨の講演会でした。

f:id:hoymin:20180603222607j:image

 

傾聴

「聞く」ではなく「聴く」という漢字を使うのは、そこに心がこもっているからだそうです。

「傾聴」ボランティアという言葉は知っていましたが、本当に「傾聴」するためには、トレーニングが必要です。

簡単ではないです。

いくつかの基本的なことを教えて下さいました。

・心のケアをおしつけない

・話したいと思える内容だけ

・ケア提供者のほうで話題を変えない

・自分の体験を語ることは控える

・相手を理解しているような発言は控える

 

相手の話を「あるがままに聴く」ためには「ビリーフ(信念、価値観)から自由なあり方」が必要というところで、ヨガにも通じることを感じました。

自由なあり方

 ケアする人が信念や価値観から自由でなくてはいけないのは、ある価値観に決めつけていると対応したり受け入れたりができないからです。

どんな価値観を持っている人のお話も、否定せず受け入れるのが傾聴です。

 

あらゆる価値観から自由でいるというのは、どんな自分にもなれるということです。

その自由さを、私はヨガに感じています。

一番画期的だったのは、逆立ちができる自分です。

思ってもいなかった逆立ちに挑戦してできるようになった時、それまでの価値観が変わりました。

できないと決めつけていたのが間違いだったと実感したのです。

 

他の、できないと決めつけていたこともできるかもしれない、やってみようと思うようになりました。

 

意識化

チャプレンになるための教育の主眼は「自らのビリーフの意識化」でもあるそうです。ビリーフから自由になるための一つの方法です。

そこで、成育歴から家系図分析・性格分析・家庭役割分析などをして、徹底的に客観的に自分はどんなビリーフを持っているか顕在化させます。

意識化とか客観的に見るってことも、ヨガと共通する概念です。

 

自分の体(心も)の弱さ硬さを意識すると、他人の弱さにも寛容になります。

客観的に見ると、まだ伸び代があったり、努力が足りないところも見えてきます。

 

スピリチュアルケア

人は「あるがまま」に聴いてもらうと、しがらみから自由になった「素の自分」になります。そこでどんな生き方をしたいかを見出していきます。

チャプレンは臨床宗教者として、ケアされる方の「自分は、深いところで何を望んでいるか」を明確にしていくサポートをしています。

それがメディカルケアとは違う、スピリチュアルケアです。

 

ヨガセンターでは不調があったり怪我をした人にスペシャルケアをしていますが、それはメディカルケアともいえるものだと思います。

そして毎回のアサナの練習は、スピリチュアルケアに通じる要素があります。

「胸を広げると気持ちもひろがります」

「ヨガセンターから帰るときは、来たときより元気で清々しい顔になります」

 

純子先生の「ヨガはスピリチュアルなものでもあるのです」という声が聞こえる気がします。

f:id:hoymin:20180603222651j:image

*あちこちのアジサイがきれいです。花の癒しもスピリチャルケアでしょうか。