楽しい詩吟
詩吟とは、漢詩を読み下して節をつけて吟じるものです。
べんせい~~しゅくしゅく~~の「川中島」が有名ですね。
私の習っている詩吟の流派は、関西吟詩文化協会という公益社団法人です。
略して「関吟」といいます。
関西大学の詩吟部が母体だったという、合理的な組織です。
伝統文化にありがちなお家元制度とはかけ離れていて、ボランティア精神が基本になっていて、気持ちのいい人たちの集まりです。
(私は知らなかったのですが、詩吟部というのは体育会系のノリのようです。
昔はつぶれるくらい河原で練習したりして)
自分たちで手弁当で何でもして、お金もあまりかからないようにしてくれます。
月に2回近くの公民館に先生に来ていただいて練習しています。
身体は楽器 姿勢 呼吸法
音痴な私ですが、呼吸法や体の使い方を教えていただき、声は大きいと褒められるようになりました。
身体は楽器だから、その使い方を学びましょうというのが、私の先生の教えです。この考え方はヨガととてもよく似ています。
ヨガの学びが深くなると、詩吟の発声も上手になっていくような気がします。
巻頭言
今日の練習で、ヨガというか仏教哲学と詩吟との大きな関連を感じました。
練習のはじめに閑吟の初代会長藤澤黄坡先生の巻頭言を全員で朗読します。
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ただ、其の詩を知り、其の詩を吟ずるのみなるは未だし、之を好むにいたりてよし。
ただ之を好むも未だ可ならず、其の意を悟り其の義を楽しむにいたりて完きなり。
楽しめば則ち生ず。
詩中の景、詩中の情、油然として其の心に生じ来りて、己れ遂に詩中の人となる、これを同化という。
吟詩の妙味ここにあり、修養の道も亦ここにあり。
われ諸君とここに従事せん。
ここに書かれていることは、空海関連の本で読んだ
、三密の一つ語密のことだと思います。
言葉ってそんなにも大切ですし、言葉の中身をしっかり理解し、発するときには言葉の調子や大きさ、滑舌にも注意して、良く伝わるようにすることが必要です。
一方的に自分の考えを押し付けたり、言いっぱなしにするのでは伝わりません。
伝えたい、理解してほしいと思ったら、どんな言葉をどんなふうに言ったらいいのかを考えたいものです。
「修養の道」と書いてある通り、これも修行ですね。
人に伝わるように、理解してもらえる話し方をしたいと思います。
人を温かい気持ちにさせるような、やさしいしゃべり方ができたらいいです。
言葉で人を元気づけることができるかもしれません。
呼吸法とか姿勢とかだけではなく、根本的なことでも詩吟とヨガがつながっているのを感じた今日の詩吟のお稽古でした。