昨夜同窓会関係でロシア語通訳・翻訳家 専門は18世紀ロシア文化史というN女史と会う。
同窓会のイベント開催の係りをしているので、来春の講師候補としてお話を聞いた。
18世紀ロシアの女帝エカテリーナⅡの話から、女性で初めてロシアアカデミーの総裁になったダーシコワ公爵夫人など、興味ある話がつぎからつぎにでてきた。
私たちの青春時代、ロシア文学は一種熱を持って向かいいれられていたと思う。その後ロシア文学(ロシア語も)の人気がなくなったけど、このごろまたちょっと復活しているねって話になった。
そういえば、『オネーギン』は私にとって特別思い入れのある物語だったはず。だけど、内容はよく覚えていない。
Nさんに『オネーギン』の名前を言うと、彼女はうれしそうな顔になって
「それはプーシキンね。あの中のタチアーナは女性のほうからの感情を告白したという点で、初めて描かれた近代的な女性という意味合いがあるのよ。」
私はそういうことは何もわからなくて、ただあの物語は私の心を強くとらえ、今も私の心を揺さぶることを話した。チェーホフの『かわいい奥さん』の奥さんに若いころの私もこんな風に、自分というものがなくて好きな人によってコロコロ考えを変える存在だと思っていたことなども思い出した。
今もあまり変わっていなのかな。
『オネーギン』のあらすじをネットで探して読んでみた。
オネーギンに恋したタチアーナに、オネーギンはつれない態度をとる。そして後年将軍夫人になった彼女の魅力に、オネーギンのほうから愛を告白するけど彼女は頑としてそれを拒む、というものだった。
私は自分の失恋に、オネーギンにつれなく拒まれたタチアーナを重ね合わせて物語に陶酔していたんだろうな。それが数年にも及んで、その間『オネーギン』は魅力に気づかなかったけど、いつか再会して愛を拒んだことを後悔することが来るかもしれない、なんて夢想していたんだろうか?
もう一度読み返してみよう。
いまでも、心揺さぶられるだろうな。楽しみ!!
価値観の定まらないかわいいだけの奥さんから脱却できていないのは大反省。
Kindle で無料だったからツルゲーネフの『初恋』も2,3日前に読み終えたばかり。
kindleでは 与謝野晶子の『源氏物語』の3分の2くらいは読み終えたし、今は林芙美子『放浪記』を読みかけている。夏目漱石や太宰治の本もダウンロードしてあるから、いつでも読める。
便利な時代になったものだ。
『オネーギン』もkindle 版が出ればいいのにな。