アサーティブとは
アサーティブという言葉は昔から知っていましたが、最近になってアサーティブトレーナーの中野満知子さんのミニ講座をお聞きする機会があり、本を読んだりしました。
今回のテキストの定義によれば
アサーティブネス(Assertiveness)の訳語は「自己主張すること」。でもアサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではありません。自分の気持ちや意見を、相手の権利を侵害することなく、誠実に、率直に、対等に表現することを意味します。(以下引用は今回のテキストです)
喧嘩や対立なしで、コミュニケーションをとる方法です。
批判されるとすぐ心が揺れ動いてしまうチキンな私は、この技術を身につけたらずいぶん心が楽になるだろうなと思っていました。
アサーティブトレーニングの基礎講座が二日間にわたって開催されることを知り、思い切って参加してきました。
二日間の基礎講座
主催はアスク・ヒューマン・ケアで、講師はオフィス「想」ネットワーク代表でアサーティブトレーナーの中野満知子さんです。
日本橋水天宮近くのビルで、朝10時から午後5時まで二日間で12時間のコースです。
遠くから泊りがけで参加された方もいました。
水天宮は子育ての神社で朝から親子連れがたくさんいました
一日目
アサーティブとは
まずは自分のアサーティブ度を問答形式でテストします。
「率直に要求を伝えられるか」などの16の項目に、得意か不得意か自己評価するのです。
同じことを相手によって、言いやすかったりできなかったりする場面がたくさんあることに気がつきました。
私の場合、他人からの批判を受け入れることが苦手なのも再確認です。
3つのパターン
コミュニケーションのパターンには3つあります。
①攻撃型 人に食ってかかるタイプ
②受身型 自己犠牲的で踏みにじられても黙っている
③作為型 攻撃性を隠して相手をコントロール
自分がどのタイプかを知ることで、課題がわかるのです。
ミックスしたり、相手によって変わるけど、私は③作為的な場合が多いかしら・・・
真剣に自分と向き合う時間でした。
4つの柱
相手と向き合うときの心の姿勢として、大切な4つの柱があります。
①誠実
②率直
③対等
④自己責任
大切なことがたくさん含まれていますが、特に私がそうなんだ!!と気がつかされたこと。
・率直と感情をぶつけるのは違う
・自分は相手にわかってもらうように話し方の工夫をしたか振り返る
・対等は相手に求めるのではなく、自分の心の問題
私たちの権利
わたしにもあるけど、あなたにもある12の権利を学びました。
1 私には、日常的な役割にとらわれることなく、一人の人間として、自分のための優先順位を決める権利がある。
2 私には、能力のある対等な人間として、敬意をもってあつかわれる権利がある。
3 私には、自分の感情を認め、それを表現する権利がある。
4 私には、自分の意見と価値観を表明する権利がある。
5 私には、自分のために「イエス」「ノー」を決めていう権利がある。
6 私には、まちがう権利がある。
7 私には、考えを変える権利がある。
8 私には、「よくわかりません」という権利がある。
9 私には、ほしいものやしたいことを求める権利がある。
10 私には、人の悩みの種を自分の責任にしなくてもよい権利がある。
11 私には、周りの人からの評価を気にせず、人と接する権利がある。
12 私には、アサーティブではない自分を選択する権利がある。
「間違う権利」もあるし、「よくわかりません」という権利があるというのが気持ちを楽にさせてくれます。
「アサーティブでない自分を選ぶ権利もある」という1項も加えられているのは深い意味があります。
つねにアサーティブであらねばならない、という呪縛から救ってくれます。
人にも強要しません。
いつもこの言葉に立ち戻っていきたい12の権利です。
要求を伝えるロールプレイ
具体的に参加者の出した事例に添って、ロールプレイをします。
誰に何を伝えたいか、相手はどういう反応をする人かの設定をして始めます。
要求を相手に伝えるということは、感情をぶつけることでも飲み込むことでもなく、自分の要求と気持ちを相手に「伝わるように」伝えるということです。相手が悪いと責めても、自分が悪いと我慢しても、本当に伝えたいことは伝わりません。(テキストより)
当事者以外にも観察する役の人もいて、良かった点と改善点を出しながら、3回くらい繰り返していきます。
アサーティブな言葉や態度を会得するためには、繰り返しが必要なんですね。
私も相手役として保険屋さんになったり会社の上司になって、大汗をかきながらも楽しめました。
自分が要求する立場の時は、言葉の選びかた顔つきなどのボディランゲージが大切だと指摘されました。
言葉と表情、態度が一致していることで、より伝えたいことが明確に伝わることを学びました。
二日目
「ノー」と言ってはっきり断る
要求するよりも難しい、「ノー」をいう練習をしました。
自分がアサーティブに「ノー」と言えなかった、言えない場面を相手役や観察者ととロールプレイしました。
断るほうは相手を否定せず、その物事だけを断ることに絶えず戻るように努めます。
するとそのあとの相手の関係をよい状態のままにすることができます。
断られ役をしていて気付いたこともあります。
相手を尊重していることも伝えながら断ると、断られた方もそんなにいやな気持ちにならないのです。
断り方ひとつで、相手の気持ちに大きな違いがあることがわかり、アサーティブにコミュニケーションをとる大切さが実感できました。
ほめる・ほめられる
プラスの感情を相手に伝えることに取り組みました。
他人をほめるということは、自分も相手もよく理解していないとできません。相手の良いところを認めて、それを「いいね、好きだよ」と伝えるkとは、人間関係の根本にある「理解しあいたい」「相手とよい関係を築きたい」という、愛情や希望にもとづいた行為です。 (テキストより)
ほめる場合
・具体的に伝える
・自分と比較したり、他との優劣でほめない
ほめ言葉を受け取る場合
・過度に謙遜したり、否定したりしない
・率直に同意する
そのあと、自分の大事な人をほめたいことをリスト化しました。
これをその人にプレゼントしたら喜ばれることでしょう!!!
わたし?
してみようかしら・・・・・う~ん勇気がいりますね。
*追記 その人に渡すことができました。ありがとうって言ってくれました。
自分を愛すること
自分を愛するためには、自分を信頼することが必要です。
自分を信頼していれば、間違いを犯したとしても、誰かに拒絶されたとしても、どん底に落ち込んでしまうことはありません。「イエス」「ノー」どちらを言ったとしても、自分を自分の選択に責任を持っていれば、その結果を引き受けることができます。
トレーニングとしては、自分の好きなところや長所をたくさんリストアップし、グループで発表し、グループの人に承認してもらうワークをしました。
2日間さまざまなワークをして親密になっていたので、他の人の優しい肯定的な言葉を素直に聞くことができます。
自分に喜びを与えるてくれるもの、好きなものをリストアップするワークもありました。
そのうちの一つはこの2週間のうちにすることを発表して終わりました。
私は「2週間以内においしいパンをお洒落なカフェで食べる」
自分にご褒美
満知子先生はユーモアで場を和ませ、エネルギッシュにトレーニングを進めます。
グループワークを回りながら、先に進めないでいるとさっと近づいて的確な方向に軌道修正してくださいました。
2日間のトレーニングは眠たいなんて思う暇もなく、怒涛のように過ぎました。睡眠不足で体力が心配でしたが、ヨガで鍛えられてきたのか乗り切りました。
不思議に疲れもなく、帰りにデパートに寄り道をしました。
無印週間がもうすぐ終わりそうなので、広い売り場をあれこれ見て回りました。
無印の売り場は、そこにいる人たちの洋服や着こなしを見ているだけでも楽しいです。
大きな本屋さんにも寄り、今はやりの本の背表紙を眺め中身もパラパラ。
デパ地下のイートインで今半の「すき焼き御前」を奮発して自分へのご褒美にしました。
久しぶりのやわらかい牛肉で、大満足でした。
全部大満足でした。
肝心のすき焼き御膳の写真取れなかった(泣)
*今回使ったテキストは 特定非営利活動法人 アサーティブジャパン刊行